#freeze
*王立図書館 [#v0c4dd0f]
こちらでは普通のSSやネタっぽいものなどを取り扱います。基本的に何でもアリな方向で。~
-ネツァワル王国兵士を鼓舞するような熱いSSなどについては[[癒され処別館>ネツァワル王国/癒され処別館]]へどうぞ♪~
-感想などは下記コメント欄か[[こちら>その他/交流コーナー/掲示板#k858bc7c]]へどうぞ!~
#contents
**ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (戦場へ向かいし者達) [#fa52ac73]
 店主 「おや、今日はご機嫌だね。衣装も綺麗じゃないか。一瞬誰なのかわからなかったよ(笑)」
 ちぃ姉「おほほ。最近チーズが沢山入荷できたの。おかげで売り上げもウナギ上りよ♪
     だから思い切って大金を叩いてドレスを購入してみたの。生まれてはじめてのドレスよ♪」
 ちぃ姉「でもマスター、”別人みたい”は余計よ!私だっておめかしくらいするんだから(笑)」
 店主 「ははは。 チーズといえば、オーク狩りでも流行っているのかな?」
 ちぃ姉「なんでだろう?それが良くわからないのよね」
 店主 「ああ、そういえばこの前、騎士団のお嬢さんがドラゴンの卵がどうこうって言っていたな
     何でもモンスター狩りが流行っているらしいが」
 ちぃ姉「そうだったの。
     そういえば、隣の店のゴブ親父も最近ゴブ本が沢山あつまってホクホク顔だったわ」
 ちぃ姉「ところで、騎士団のジャイアントって凄いらしいわね
     この前のデスパイア戦で、敵のゲートを一撃で破壊してしまったとか・・・
     巷はその話で持ちきりだわ」
 店主 「ああ凄まじいらしいね(苦笑い)」
 
 店主 「で、今日の君はいつもどおり一人でこの店に来ている訳だが・・・
     そろそろ身を固めたりはしないのかな?・・・
     何なら私がいい男でも紹介しようかね?(笑)」
 ちぃ姉「もうっ、マスターの意地悪!・・・そりゃ素敵な人がいればね・・・
     私って高望みしちゃうのよ。どこかに素敵な王子様でもいないのかしら。はぁ」
 店主 「王子様か。さすがにそれは無理な注文だな(笑)」
 
 (青年が店に訪れる)
 
 青年 「久しぶりだな。マスター」
 店主 「やあ、最近顔を見せないから心配していたぜ。元気そうだな」
 青年 「まあ、色々あってね」
 ちぃ姉「(あら、いい男。私好み! でも・・・身だしなみはいまいちか・・・)」
 青年 「こちらの素敵なお嬢様はどちら様で?」
 ちぃ姉「あら、素敵だなんて・・・」
 青年 「宜しければご一緒に如何です?」
 ちぃ姉「いえ、結構よ」
 青年 「そうですか・・・失礼しますが上流階級のお嬢様とお見受け致しましたが」
 ちぃ姉「えっ・・・ええ、そっ、そうよ。
     今日はお屋敷からこっそり抜け出して下町まで遊びにきたの・・・
     店の外に馬車が止めてあったでしょ? その馬車で来ましたの」
 店主 「えっ?」
 
 (ちぃ姉、マスターの足を思いっきり踏んづける)
 
 青年 「あの馬車の持ち主ということは・・・余程ご身分のお高い方で・・・
     では、私のような卑しい身分の男では、お相手して頂けませぬな」
 ちぃ姉「うーん、でも、少しだけならお付き合いして差し上げてましてよ?(微笑)」
 青年 「ありがとう(微笑)。ところで下町は如何ですか?退屈はしませんか?」
 ちぃ姉「そうでもありませんわ。
     お屋敷では毎晩退屈なパーティーばかりで屈極まりないですわ
     と言いましても・・・味気もなんにもない下町よりはずっと楽しいですけどね(笑)」
 青年 「そうでしたか(笑)」
 
 (二人の会話は盛り上がり・・・)
 
 ちぃ姉「(あ・・・そろそろ店の支度をしないと・・・)」
 ちぃ姉「ごめんあそばせ。わたくしそろそろお屋敷に戻らないと・・・」
 青年 「そうですか。短い時間でしたがとても楽しめました。
     ところで、またお会いして頂けますか? 機会があるのであれば是非・・・」
 ちぃ姉「わたくしめの屋敷を警備するものの監視がとても厳しくて・・・
     そう簡単には・・・ああ、もうお時間が・・・」
 
 (ちぃ姉、あわてて店を出る)
 
 青年 「素敵な女性だった・・・」
 客A 「おいおい、兄ちゃん。気に入った女ならなんで引き止めないんだ?
     身分の違いなんぞ関係ねーだろ? 彼女も乗り気だったじゃねぇか」
 青年 「そうだな。だがいいのだよ」
 店主 「今ならまだ間に合うが・・・彼女は素敵な女性さ。私が保証するよ」
 青年 「マスター、私にはもう時間がない・・・時間がないのだよ・・・」
 客A 「ん?」
 店主 「そうか・・・あの噂は本当だったのか」
 青年 「ああ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (青年、店を出て馬車の傍の男に近づく)
 
 青年 「この店に来ることも、もう二度と無いだろう・・・」
 騎手 「さあ、そろそろお屋敷に戻りますぞ。
     服装もきちんとしたものに着替え直して頂かないと」
 青年 「わかっているさ・・・
     一つお願いがある。すこし遠回りで屋敷に戻ってくれないか
     最後に町の中を見て回りたい・・・」
 騎手 「かしこまりましたさ」
 
 
 
 (馬車に青年が乗り込み、馬車が走り出す)
 
 青年 「(・・・あの女性はさっきの・・・)」
 ちぃ姉「ねぇ!そこの人、チーズもってない?高く買い取るからさっ!」
 通行人「けっ!どうせぼったくりだろ?ふざけるな!」
 ちぃ姉「ふんっ!何よ!いちゃもん付けるなら、とっととどこかにお行き!」
 
 
 
 青年 「そうか・・・(苦笑) もういい・・・屋敷に戻ってくれ」
 騎手 「へぃ
     ところで何か楽しい事でもございましたかな?」
 青年 「ああ、色々とな(笑)」
 騎手 「・・・」
 青年 「どうした?」
 騎手 「・・・
     それにしても、お坊ちゃまがデスパイア城の城主に任命されるとは・・・
     幼き頃よりお使え申した身と致しましては・・・感無量でございますぞ・・・」
 青年 「爺や、色々と世話になったな・・・」
 騎手 「必ずや・・・必ずや生き伸びて・・・そして再びお屋敷にお戻り下さいませ・・・」
 青年 「泣くな・・・私は必ず・・・そう、必ず生き延びてみせる・・・
     そして、この町の地を再び踏む・・・そうさ、きっと・・・」
 騎手 「しかし・・・何故、何故お坊ちゃまがよりによってデスパイア城の城主などに・・・納得が行きませぬ!」
 青年 「誰かが・・・誰かが、やり遂げねばならぬのだ。そう・・・この国の為に・・・」
 
 ----- 店主の日記「戦場へ向かいし者達」より -----

**ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (時には息抜きも) [#f7d90cf1]
 [[[ 戦場:ゴブリンフォーク ]]]
 
 オリA「頭がくらくらするぜ」
 オリB「俺もだぜ。まったく辛い世の中になっちまったよな」
 オリA「早めに前線に戻らないとな。お前POTにまだ余裕はあるか?」
 オリB「いや、ベーコンが残り3個だけだ」
 
 オリA「前線に行けば片手オリばかり。頭を殴られてばかりでやってらんねーぜ」
 オリB「お互い昔からの純両手オリだからな。いまさら戦闘スタイルは変えれなえしな」
 
 (少女が一人寄ってくる)
 
 少女 「あ、そこのおっちゃん。クリちょーだい」
 オリA「おっちゃんは余計だ」
 少女 「ねぇねぇ、何でこんなところでずるしてるの?
     皆前線で戦ってるよ?」
 オリB「おいおい、さぼっている訳じゃねーさ。ちとPOTが足りなくてな。
     体力を回復しているんだよ」
 少女 「ふーん」
 オリA「おめーさんこそ、こんな所で何やってるんだ?
     まだ子供だろ?戦場は危険だぞ?お家に帰りな」
 少女 「クリを集めてるの。クリを沢山集めるとリングが沢山もらえるって聞いたから」
 オリB「ああ、そうだな。クリ集めなら子供でもできるか」
 少女 「んじゃ、クリを銀行さんに預けにいってくるねー」
 オリA「ああ、頼んだぜ。気をつけろよ」
 少女 「あ、おっちゃんたちにいいものあげる」
 
 (肉片を受け取るオリA、オリB、そして立ち去る少女)
 
 オリA「まいったな。こんなもんをもらった所で役にたたねぇな」
 オリB「なあ、もう少し休んでいかないか?」
 オリA「そうするか・・・」
 オリB「ああ・・・」
 
 
 [[[ 戦場:デスパイア ]]]
 
 オリA「くそっ! また殴られ損だぜ」
 オリB「俺のドラゴンテイルも錆付いちまったかな」
 オリA「・・・ああ、そうかもな・・・」
 
 (少女が一人近づいてくる)
 
 少女 「あ〜また昨日のおっちゃんたちだ!」
 オリA「おっちゃんは余計だ!」
 少女 「くり頂戴!」
 オリB「ほらよ」
 少女 「ありがとー。んじゃ、これお礼にあげるね」
 
 (肉片を受け取るオリA、オリB、そして立ち去る少女)
 
 オリA「またか・・・こんなもんをもらった所で役にたたねぇな」
 オリB「なあ、もう少し休んでいかないか?」
 オリA「そうするか・・・」
 オリB「ああ・・・」
 
 
 [[[ 戦場:シュア島 ]]]
 
 オリA「はあ・・・ここのクリは遠いな」
 オリB「休憩に戻るにも一苦労だ」
 オリA「なあ、俺、今まで黙っていたんだけど、SPが少しあまっていてな・・・」
 オリB「ほお」
 オリA「ドラゴンテイルを覚えようと考えていたのだが・・・
     バッシュでも覚えようかと・・・」
 オリB「・・・」
 オリA「ご、誤解しないでくれよ!?
     そりゃお前と一緒にドラゴンテイルをぶっ放すのがお互いの夢だったからな
     でもよ、このご時勢だ・・・」
 オリB「・・・そうだな。ああ、好きにすればいいさ・・・」
 オリA「すまねぇ」
 
 (少女が一人近づいてくる)
 
 少女 「あ〜まただああ。おっちゃんたちだ!」
 オリA「おっちゃんは余計だ!何度も言わせるな!」
 少女 「クリ頂戴!」
 オリB「ほらよ」
 少女 「ありがとー。んじゃ、これお礼にあげるね」
 
 (肉片を受け取るオリA、オリB)
 
 オリA「なあ、こんなもんもらった所で俺たちには役に立たないぜ?」
 少女 「えーっ そんなぁ・・・」
 オリB「ところでお前さん。両手斧なんて装備してるけど、両手オリを目指すつもりか?」
 少女 「もちろん!」
 オリA「なら、やめておきな」
 オリB「だな。今からでも遅くない」
 少女 「いやよ!絶対に両手オリになるんだからっ!」
 オリA「なんで、そんなに両手オリに拘るんだい?」
 
 少女 「それはね・・・昔小さいときエルギルで遊んでいたら戦争になったの
     そしたら怖い敵のオリさんが近づいてきて・・・
     きゃーって叫んだらネツの兵隊さんが駆けつけてドラゴンテイルで
     怖いオリさんを遠くまで吹き飛ばしてくれたの!だから私は・・・」
 オリB「そうか・・・」
 オリA「さあ・・・前線に戻るかね」
 オリB「ああ・・・戻ろう」
 少女 「いてらー」
 
 
 オリA「ところで、お前、肉片いくつもらった?」
 オリB「俺か?2個だ」
 オリA「俺は3個だ」
 オリB「おめぇ女にもてるな(笑)」
 オリA「まあな(苦笑い)」
 
 (酒場)
 
 店主 「シュア島で救援が発せられたぞ」
 オリA「おい、相棒、出かけるぜ」
 オリB「ああ、もちろんさ」
 
 (戦場へ向かう途中)
 
 オリB「ところで、お前さん、バッシュは覚えたのか?」
 オリA「聞くだけヤボってもんだろ?」
 オリB「まあな(笑)」
 
 ----- 店主の日記「時には息抜きも」より -----
**ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (戦場に咲く花) [#d45d5382]
 偵察隊「B5で敵レイス発見!護衛ナイトも多数!」
 軍師 「我が軍の召還の状況を報告せよ!」
 クリ銀「クリ在庫50 ナイト0ジャイ0レイス0」
 軍師 「くっ・・・
 軍師  B5へ至急ナイトを出撃させよ!」
 皿子 「じゃいあんと 出ま〜〜〜すぅ(はあと)」
 軍師 「オイ、コラ・・・」
 老兵 「こらこら、出撃はナイトが先じゃ!」
 軍師 「(お、さすが老兵。戦争の定石を良くぞ理解しておる)」
 老兵 「じゃが・・・ナイトで護衛してやりたいのは山々なのじゃが
     ちと腰痛でのう。しっかりたのむぞな」
 皿子 「え〜っ」
 軍師 「・・・」
 皿子 「彼はどうしたの?」
 老兵 「隊長殿は腹痛での・・・さっき食べた手作り弁当があたったらしいのじゃが」
 皿子 「(ぎくっ!)」
 軍師 「他の騎士団の者はどうしたのだ!?」
 老兵 「腰痛、通風、ぎっくり腰、その他もろもろで皆ダウンじゃ」
 軍師 「・・・」
 皿子 「んじゃ、おっちゃん行って来るね〜(はあと)」
 軍師 「(ぐ・・・私に向かっておっちゃんだと・・小娘が!!(怒))」
 老兵 「頑張れよ〜 自慢のキャノン砲で見事レイスを沈めてきておくれ!」
 皿子 「はぁ〜〜ぃ!」
 軍師 「・・・」
 
 
 (戦争終了後)
 
 
 軍師 「くっ・・・召還負けか・・・」
 老兵 「そこの若いの。落ち込むでないぞ」
 軍師 「私の事か・・・?」
 老兵 「ああ、そうじゃ。戦争に一回負けたくらいで落ち込むでない
     戦争はまだまだ続くのじゃぞ?」
 軍師 「しかし・・・ナイトが出ていれば・・・」
 老兵 「ははは、お前さんはまだ戦に慣れていないようじゃの
     たまにはこういう負け戦もあるさ
     じゃがの、お前さんの叫び声は、戦う者全てにしっかり届いておった。
     次に繋がるさ(笑)」
 軍師 「だといいのだが・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 少女 「おっちゃん、おっちゃん」
 軍師 「おっちゃんって・・・私のことか!?(怒)」
 少女 「そそ。おっちゃんクリ頂戴!」
 軍師 「クリなんぞ持っておらぬわっ!」
 少女 「えーっ そんなぁ〜 うーん、んじゃ、これあげるね」
 
 (軍師、少女から一輪の白い花をもらう)
 
 軍師 「綺麗だな・・・
     それに・・・水々しい・・・摘みたてかな・・・」
 少女 「でしょ? さっきまでそこに生えていたの」
 
 (白い花を摘んだ場所を指差す少女)
 
 軍師 「そうか・・・ふっ・・・」
 少女 「あ〜っ やっと笑った(笑)」
 軍師 「笑った? ふむ」
 少女 「戦争中、ずっと怖い顔してたんだもんっ!」
 軍師 「私は怖いかね・・・?」
 少女 「全然!(笑顔)」
 軍師 「ふふ・・・そうか(苦笑い)」
 少女 「じゃぁね。おっちゃん!」
 軍師 「おっちゃんじゃ・・・、ああ、またな(笑)」
 
 
 
 
 オリA「くそっ負けちまったか」
 オリB「ダブルドラゴンテイルで敵のレイスをぶっ倒したっつーのによっ!」
 オリA[まあな。でもよっ! 次があるぜ!」
 オリB「ああ、今度こそ勝つぜ!」
 オリA「まいったな・・・」
 オリB「どうした?」
 オリA「なあ、このあたりで用を足せるとこはねーか?」
 オリB「俺はさっきそこで用を足したぜ。お前も出すもん出してこいよ」
 
 (オリB、白い花が咲いた場所を指す)
 
 オリA「ああ。ん、綺麗な花が咲いているな。心が温まる・・・」
 オリB「花にしょんべんひっかけながら、んな事いっても全然情緒なんてねーぞ(笑)」
 オリA「まあな(笑)」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 皿子 「くやしいよぉ。せっかくジャイアントで敵のナイトを5人も倒したのにぃ!」
 老兵 「お嬢さん帰りますぞ。さあ、いつもの酒場で愚痴大会じゃ」
 皿子 「今日は飲んで飲んで飲みまくるわよっ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 軍師 「 何 か が 違 う ! 」
 
 ----- 駆け出し軍師の戦争記録「戦場に咲く花」より -----
**ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (運命) [#ka58a104]
 青年「なあ、機嫌を直せよ。俺が悪かったからさ」
 少女「ふんっ いまさら謝ったって遅いわよ!」
 青年「まいったな・・・なあ、今日はお前の誕生日じゃないか」
 少女「待ち合わせの時間に4時間も遅刻よ!」
 青年「時計のネジを巻き忘れてたって説明したじゃないか。
    あ、いや、その・・・俺が悪かった」
 少女「もうっ」
 青年「で、君のご両親は何処に?」
 少女「もうっ!二人とも怒って、とっくの昔に帰ったわよ」
 青年「そうか・・・」
 
 少女「何よ?」
 青年「いや(笑)、でも君は待っていてくれたんだろ?」
 少女「丁度帰るところだったわ・・・」
 青年「なあ、俺達が出会ってから今日で丁度5年になるよな」
 少女「そうね」
 青年「色々あったな」
 少女「えぇ、貴方にはいつも振り回されてばかり・・・」
 青年「・・・そうだったな・・・」
 少女「もう帰るわ」
 青年「えっ?・・・もう少しくらいい一緒にいてくれよ。俺は今来たばかりなんだしさ
    それに今日は君の誕生・・・」
 少女「もう・・・終わりにしましょう・・・」
 青年「おい、突然、どうしたんだよ?」
 少女「さよなら」
 青年「ああ・・・
    なあ・・・店を出てゆく前に・・・少しだけでいいから・・・
    笑ってくれないか?(笑顔)」
 少女「何考えてるのよ! いい加減にして!(怒)」
 青年「・・・」
 
 
 (店を出てゆく少女)
 
 店主「いいのかね?」
 青年「ああ、いつもの事さ(笑)
    なあマスター。5年って長いかな?」
 店主「待つ身としては長い・・・特に女性にとってはね」
 青年「そういうものかな?」
 店主「ああ、そういうものだ」
  :
 店主「おい、飲みすぎだぞ!」
 青年「うるせぇ!」
 店主「仕方ないか(苦笑い)」
 
 (青年、酔いつぶれてカウンターで暫し寝入る)
 店主「まいったな。もう閉店の時間だが・・・(笑)」
 
 (青年、目をさます)
 青年「マスター、聞いてくれ・・・」
 店主「何だね?(笑)」
  :
  :
 青年「なあ・・・マスター、これを預かっていてくれないか?」
 店主「これは・・・さすがに預かれないぞ
    君がその時まで持っているべきじゃないかな」
 青年「そうか・・・そうかもな
    でも・・・お願いだマスター。俺の一生の頼みを聞いてくれ!」
 店主「本当にいいのか?」
 青年「ああ、いいとも。 んじゃ俺はもう帰るよ。後は頼んだぜマスター」
 店主「気を付けて帰れよ」
 
 (青年、千鳥足で店を出てゆく)
 
 店主「ん?こんな時間に何方かな?」
 少女「ちょっとね」
 店主「さっきの・・・ああ彼を迎えにきたのかな?」
 少女「そんなんじゃないわ」
 店主「そうかな?(笑)
    もっとも彼ならついさっき帰ったが」
 少女「そう・・・ねえマスター? 彼は何か・・・その・・・何か言ってました?」
 店主「気になるのかね?」
 少女「いえ。別に・・・あんな奴・・・」
 店主「特に何も話してはいなかったが・・・
    酔いつぶれてカウンターで寝ている間、寝言でずっと君の名前を呼んではいたが」
 少女「そう・・・」
 店主「そうだ、これを受け取ってくれないかな?
       彼が戻るまで私に預かっていて欲しいと言われたのだけれども
    私は昔から運命というものを信じる達でね
    彼から貴方への贈り物だ」
 少女「えっ?」
    これは・・・
    そ・・・そんな・・・」
 店主「気に入って頂けたかな?」
 少女「明日、明日彼と会うわ」
 店主「・・・残念だが、それは無理な願いだ」
 少女「えっ?」
 店主「さっき彼から聞かされた」
 少女「いったいどういう事!?」
 店主「落ち着いて聴いてほしい
    今朝、ワーグノースの地から援軍要請が発せられてね
    彼は朝からその準備に追われて、君が店を出ようとした丁度そのときこの店に来た」
 少女「そんな・・・」
 店主「移動は夜中だと話していた。おそらく・・・もうこの町にはおるまい」
 
 (少女、その場で泣き崩れる)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 兵士A「隊長殿!たった今援軍が到着致しました!」
 隊長 「ふむ。何れも精鋭ぞろいの様だな(にやり)」
 兵士A「はっ!(敬礼)」
 隊長 「我が騎士団は北に周り敵の召還部隊を迎撃する!
     援軍に来た者は我が軍と共に行動せよ!」
 援軍兵全員「はっ!(敬礼)」
 
 (前線へ向かう途中)
 
 兵士B「どうした?体調が優れぬのか?さっきからうつむいたままだが」
 青年 「いえ、大丈夫です」
 兵士B「おい、やっぱりおかしいぞ
     隊長殿!体調が優れぬ者が一名おります!」
 隊長 「その者どうしたというのだ?顔色が良くないようだが?」
 青年 「いえ、何でもありませぬ・・・」
 隊長 「何もなければ、そんな顔色はせぬだろう?」
 青年 「私は・・・この戦争が終わったら・・・だが、その願いも・・・」
 兵士C「おい・・・お前・・・突然何を言い出すんだ??」
 青年 「きっと・・そういう運命なのです・・・」
 兵士B「おい!しっかりしろって! 気は確かか!?」
 
 隊長 「ふむ。君は運命を信じるかね?」
 青年 「え?・・・いえ・・・私は・・・そんなつもりでは・・・」
 隊長 「私は信じる
     運命とは己の力で切り開くものであるという事を」
 青年 「しかし・・・」
 隊長 「そうか、お前が言う願いとはその程度のものか
     ならばそんなものは捨ててしまうが良い」
 青年 「私は・・・私は・・・」
 兵士D「前方に敵影!!歩兵多数!!ジャイアントもいます!!」
 兵士A「隊長殿!奇襲のチャンスです!
     突撃の合図を下され!」
 兵士E「まずい!敵に悟られたかもしれませぬ!」
 兵士A「隊長殿!早急にご決断を!隊長殿!」
 青年 「私は・・・私は・・・」
 兵士A「・・・
     隊長殿・・・この者を今すぐ我が部隊より除名して下され!
     士気に悪影響を及ぼしまする! 隊長殿!?」
 
 (隊長、手をかざし言葉を遮る)
 
 青年 「・・・そんな事は・・・決してそんな事は!」
 隊長 「では、もう一度聞く
     君は運命を信じるかね」
 青年 「俺は・・・俺は・・・諦めない
     いえ!隊長殿!私は決して諦めたりは致しませぬ!(敬礼!)」
 隊長 「(にやり)」
 
 
 (隊長、右手に掲げた軍旗を振り下ろす)
 
 
 兵士A「がおーの雄叫びの元に! 全 軍 突 撃 せ よ !!!! 」
 
 全兵士「が お お お お お お お ぉ ぉ 〜〜〜〜〜〜 !!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (酒場)
 
 
 (スカ、紙に文章を綴る。それを覗き込むマスター)
 スカ 「なあマスター。こんな感じでどうかな?」
 店主 「どれどれ。うーむ。ここは、こっちの台詞の方が良くないかな?」
 スカ 「うーん。でも、ありきたり過ぎやしないか?」
 店主 「そうかな?」
 スカ 「しかし、意外と難しいもんだなあ・・・」
 店主 「まあね。だが、せっかく頼まれたのだから最後まできちんと考えてあげないとな」
 スカ 「そうなんだよなぁ。
     こんな頼まれ事は生まれて初めてだから何を喋って良いものか・・・」
 店主 「お、”運命とは己の力で切り開くもの”か・・・なるほどね。これはなかなかいい台詞じゃないか」
 スカ 「ああ、そう思うだろ? でも、この台詞は兄貴からの受け売りなのさ」
 店主 「例え受け売りであったとしても良い物は良い。それでいいじゃないか(笑)」
 スカ 「まあね(笑)」
 
 (皿子、酒場に訪れる)
 
 皿子 「やっぱり先にきてたのね
     私はこれから銀行に行って来るから少し待っててね
     新郎新婦の為にとっておきのスピーチを考えてあるから!」
 スカ 「ああ、わかったよ」
 店主 「頼もしい助っ人が登場だな(笑)」
 スカ 「そのようだ(笑)」
 
 (皿子、立ち去る)
 
 スカ 「マスター、なあ、俺、最近たまに思うのだが・・・
     ・・・受け入れてもいい運命もあるのかな?ってさ・・
     その・・・何だ・・・例えばってやつだけどさ。いや、その・・・何ていうか・・・」
 店主 「ふむ。それは・・・次は君達二人の番と思っていいのかな?(笑)」
 
 (スカ、目をそらし苦笑い)
 
 店主 「満更でもなさそうだな(大笑)」
 
 ----- 店主の日記「運命」 -----
**ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (脱走兵) [#e8ea7931]
 老人 「マスター酒を一杯くれ」
 店主 「酒は一通り取り揃えてありますが。お好きな銘柄はありますかな?」
 
 (老人、マスターを見た途端、帽子を深くかぶり視線をそらす)
 
 店主 「ん?どうかなさいましたかな?・・・
     はっ・・・貴方は・・・まさか・・・これは驚いた・・・
     貴方が・・・この店にくることがあろうとは・・・」
 老人 「他人の空似じゃろうて・・・」
 店主 「幾ら年をとっても昔の面影は残るものですぞ・・・
     10年、いや12年ぶりですかな」
 老人 「お前さんをだます事は出来ぬか・・・(苦笑い)
     しかし12年・・・もうそんなにも経つか・・・
     で、お前さんはどうする? ワシを捕らえ軍に突き出すのか?
     騎士団の団長とも在ろうものなら見逃す訳にはいくまい・・・」
 店主 「私は既に引退した身です。もはや軍とは何の関係もありませぬ」
 老人 「そうか・・・お前さんはワシを見逃してくれると言うのか・・・
     しかし、寄りによってお前さんの店に入ってしまうとはのう・・・」
 店主 「私がこの店の息子である事をお忘れでしたか・・・」
 老人 「ああ・・・すっかり忘れておったさ・・・」
 店主 「ところで何故今頃ネツにお戻りに? やはり生まれ故郷は恋しいですかな」
 老人 「さあね・・・
     (周囲を見渡し)
     ・・・この店には、昔の仲間・・・いや、連中がよく来るのかね?」
 店主 「ええ、誰かしらね」
 老人 「そうか・・・皆ワシを恨んでおるじゃろうな・・・
     では奴らに見つかる前に失礼させてもらうよ」
 
 (老人、席を立ち出口に向かおうとする)
 
 店主 「まあ、もう少しゆっくりして行かれても良いではありませんか
     彼らは今戦場に向かう途中だと聞いています
     鉢合わせになる事もないでしょう
     それに今日の酒は私がおごりますよ」
 老人 「ふむ・・・そうか」
 
 
 (少女が店に入ってくる)
 
 少女 「マスタ〜。お買い物いってきた!」
 店主 「ああ、ありがとう。荷物はそこに置いてくれ」
 少女 「は〜ぃ」
 (少女、荷物を置き、カウンターに座り両肘をテーブルにおき目を輝かせ、そわそわする)
 
 老人 「まだ幼いのにお手伝いとは感心じゃな
     お前さんの娘かね?」
 店主 「ははは、違いますよ」
 少女 「私、このお店でたまにアルバイトをしているの(笑顔)」
 老人 「ほお。お小遣いでも稼ぎたいのかね?」
 少女 「違うの。お手伝いをするとね、マスターがご馳走してくれるの」
 老人 「ご馳走?」
 少女 「うん!ご馳走なのっ!」
 店主 「ああ、アルバイト代の代わりに夕食をね」
 老人 「夕食?・・・お前さんはお家で家族と一緒に食事をしないのかね?」
 少女 「う〜ん・・・」
 (口ごもる少女)
 
 (店に男二人が入ってくる)
 
 オリA「ふう。疲れたな」
 オリB「まあな。さあ、一杯やろうぜ」
 (オリA,Bカウンターに座る)
 オリA「マスター、いつもの奴たのむわ」
 オリB「俺もいつもので」
 店主 「ああ」
 オリA「あぁ!?おめぇ、今日もこの店に来てたのか」
 少女 「うん。今日はお使いのお手伝いができたの」
 オリB「よかったな」
 少女 「うん!」
 オリA「てか、お前その足の傷どうしたんだ? 転んだのか?」
 オリB「結構ひどい引っかき傷だな。マスター、薬はあるかい?」
 店主 「おや、これはひどい。今薬を持ってくるからね」
 オリB「で、どうしたんだ?」
 少女 「さっきの戦争で、敵のナイトにおっかけられて転んじゃったの・・・」
 オリA「追っかけられたって・・・おぃ!お前!この子から目を離したんじゃねぇか!?」
 オリB「いや、ずっと俺の傍にいたはずだが・・・あっ」
 オリA「”あっ”って・・・お前!(怒)」
 オリB「すまん。俺とした事が・・・」
 少女 「でも、もう痛くないから大丈夫!(笑顔)」
 オリA「はあ・・・参ったな」
 オリB「今度から気をつけるよ・・・」
 老人 「ちょっと待て!
     お前達は、こんな小さな女の子を戦場に連れて行っているのか!?(怒)」
 オリA「おい、爺さん! 何怒ってるんだよ!?」
 老人 「当たり前じゃ! いったい何を考えているんだ!」
 少女 「・・・」
 オリA「そんな事言われたってなあ・・・このガキが勝手についてくるんだしよ・・・」
 オリB「んだな」
 少女 「あのね。お爺ちゃん。戦争でクリを集めるとね。隊長さんがリングを一個くれるの」
 老人 「リングじゃと? 子供がそんなものをもらってどうするというのじゃ!」
 少女 「そのね・・・そのリングを集めて売ると、お金がもらえるの
     だから・・・だから戦争にいくの!」
 老人 「一体何を考えているんだ! 全く・・・お前さんの両親の顔を見てみたいもんじゃ!」
 少女 「・・・(目に涙を浮かべる)」
 オリA「おい!じじぃ!てめー言いすぎだぞ!?」
 老人 「何が言いすぎじゃ! お前達もお前達じゃ! 何故戦争に連れて行くんじゃ!?」
 オリB「別に俺達が連れて行っている訳じゃねぇ。勝手についてくるんだって」
 オリA「だよな。事情が事情だけに追い返すって訳にもいかねぇし」
 老人 「事情? 事情がなんだっていうんじゃ。 そんな事は言い訳にならぬ!」
 オリA「なあ・・・爺さんもういいだろ? それ以上言われちゃ酒が不味くなっちまうぜ」
 オリB「だな。少し黙っててくれよ」
 老人 「・・・」
 
 (マスター、カウンターに戻る)
 
 店主 「ほら、薬だ。足の傷を見せてごらん」
 少女 「うん」
 
 (マスター、少女に薬を塗る)
 
 店主 「さあ、これでもう大丈夫だ」
 コック「マスター、オムレツをお持ちしました」
 (マスター、コックからオムレツを受け取り少女の前にオムレツを差し出す)
 店主 「さあ、お食べなさい。お手伝いのご褒美だ」
 少女 「やった〜ぁ!」
 
 (少女、目を輝かせてオムレツにむさぼりつく)
 
 老人 「お前さん、この子を家に帰さなくていいのか?
     家でご両親がさぞかし心配しておるじゃろうに・・・お前さんらしくない・・・」
 店主 「まあ、いいじゃないか」
 老人 「ふむ・・・お前さんがそう言うのであれば・・・」
 
 オリA「あっマスター、今何時かな? 20時に会わなきゃならねぇ人がいてな」
 店主 「時間はと・・・ん、時計はどこだったかな」
 (マスター、ポケットを探る)
 
 (少女、おもむろに自分のポケットから懐中時計を取り出して時間を見る)
 少女 「うーんとね。いまの時間は、えーっと・・・」
 オリA「ん?お前・・・その懐中時計どこで手に入れたんだ!?」
 老人 「その時計は・・・」
 オリB「おい、見せてみろ!・・・こりゃ・・・相当な代物だぞ? まさか盗みを働いたんじゃ・・・」
 オリA「おぃ!盗みはぜってーしちゃならねぇって俺達が教えたよな!?」
 少女 「これは違うの!違うんだってば!」
 オリA「ならどうしたってんだ!?」
 店主 「ああ、この時計はこの子が幼い頃からずっと持っているが。ねっ?(笑顔)」
 少女 「う・・・うん」
 オリA「昔からって・・・誰かに貰ったのか?」
 少女 「これはね。お父さんの形見なの・・・お父さんが病気で亡くなる前に私にくれたの・・・」
 オリA「そうだったのか・・・怒鳴り声を上げてすまなかったなぁ」
 オリB「なんだ。そうだったのか。なら無くさないように大切にしないとな」
 老人 「・・・お母さんはどうしたのじゃ?」
 少女 「・・・」
 オリB「おぃ!うるせーぞジジイ!黙っていやがれ!」
 
 少女 「お母さんは・・・お母さんは知らないの・・・
     私が生まれた後すぐに死んじゃったってお父さんがいってたもん・・・」
 オリA「おい!しっかろしろよ・・・おぃ、泣くんじゃねぇぞ???」
 少女 「でーもねっ 全然悲しくないよっ!(笑顔)」
 オリA「そ・・そうか(笑顔)」
 少女 「別に悲しくもなんともないよっ!
     施設は・・・すごく退屈だし・・・
     悪い事するとすぐに大人の人に怒られるし・・・
     ご飯はおいしくないし・・・それにすっごく少ないし・・・」
 オリA「お・・・おぃ・・・」
 少女 「でもねっ!おっちゃん達がいるから楽しいよっ!」
 オリB「いや、俺達がどうこうってのは、関係ねぇっつか・・・(涙ぐむ)」
 少女 「あーっ!おっちゃん泣いてる!」
 オリB「うっ、うるせぇ!ガキは黙ってろ!泣いてなんかいねぇ!」
 少女 「へっへっへっ〜だっ(笑)」
 
 老人 「そうか・・・・・・辛い思いを・・・」
 オリA「辛い思い!?てめーが余計な事を言わなきゃ・・・」
 オリB「まあ、爺さん安心しな。俺達は、そのなんだ・・・実はな・・・
     俺たちゃこの子と同じ施設育ちなんだよ・・・
     だからなんつーか、この子の気持ちが良くわかるつーか、なんつーか」
 オリA「んだ。だから爺さんは安心しろっつーの。
     第一他人のおめぇさんが横から口を挟む必要はねーだろ?」
 老人 「他人か・・・かもしれぬな・・・」
 オリB「そそ、他人他人!俺達は生まれも育ちもこの子と似たようなもんだから
     まあ、その何だ、言ってみれば家族同然みたいなもんかな? わははは(笑)」
 少女 「だよねーっ!だから全然寂しくなんかないよっ!(笑)」
 老人 「そうか・・・寂しくないか・・・」
 オリA「そういやぁ、俺達が小さい頃は、この店でよく皿洗いをしたもんだ」
 オリB「ああ、懐かしいよな。皿洗いを手伝うとマスターが夕食を食べさせてくれてさ
     マスターといっても、俺達の頃は今のマスターの親父さんだったけどさ」
 
 (老人、席を席を立つ)
 
 老人 「マスター、ご馳走になった・・・もう帰るさ」
 店主 「帰るって・・・何処に?」
 老人 「さあな・・・何処じゃろうな・・・」
 店主 「何時、この地を離れるのですか・・・?」
 老人 「すぐに去るさ・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 オリA「うるさいのがいなくなったな。さあ、飲みなおそうぜ」
 オリB「おおよっ」
 
 店主 「一つ頼みごとがあるけどいいかな?」
 少女 「私?なあに?」
 店主 「今すぐお店を出て、さっきのお爺さんに話してきてほしいんだ」
 少女 「話すって・・・何を?(首をかしげる)」
 店主 「どんな事でもいいんだよ(笑顔)」
 (少女、困った顔をする)
 
 オリA「なんだそりゃ?」
 オリB「マスター、どういうことだ??」
 
 少女 「うーん。今すぐじゃないとだめなの?」
 (少女、席を立ち、食べかけのオムレツを見つめたままうつむく)
 
 オリA「マスター、全部食べた後でいいじゃねーか。冷てぇなあ」
 オリB「んだ。第一あのジジイがどうしたってんだ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 店主 「いいかな?あのお爺さんはね
     君のお父さんの事を良く知っているんだ
 
     世界中の誰よりもね」
 
 (少女、しばし呆然とした後、駆け足で店を出てゆく)
 
 
 オリA「おい・・・まさか・・・」
 オリB「??」
 
 (マスター、一呼吸置き)
 
 店主 「そのまさかだ」
 
 ----- 店主の日記「脱走兵」より -----
**ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (約束) [#y52ffeb0]
 衛兵 「城はこれ以上持ちませぬ!」
 城主 「そうか・・・」
 衛兵 「我が軍も力の限り尽くしましたが・・・もはやこれまでかと・・・
     さあ早く城の裏門へ! 我非力ながらしんがりを務めまする!」
 城主 「女子供はどうした!?」
 衛兵 「はっ!
     既に城の裏門より無事逃げ落ちております!」
 城主 「そうか・・・
     おぬしは行け。私はここに残る」
 衛兵 「気はお確かで御座いますか!? 敵の尖兵隊は既に城の内部にまで進入しております!
 衛兵 「気は確かで御座いますか!? 敵の尖兵隊は既に城の内部にまで進入しておりますぞ!?
     ここに辿り着くのも時間の問題かと!」
 城主 「構わん。私はこの・・・デスパイア城の城主。城主たる者が城から
     逃げ出す事は即ち国王に叛旗を翻したも同然・・・それだけは出来ぬ。
     逃げ出す訳にはいかぬのだ!」
 衛兵 「・・・ならば、私もお供致しましょう・・・」
 城主 「ならぬ。お前は生き延びよ!」
 衛兵 「しかし!」
 城主 「これは命令だ!早く行けッ!」
 衛兵 「・・・はっ!(敬礼)」
 
 (衛兵、涙ながらにその場を去る)
 
 城主 「(私の力が非力ゆえに・・・皆の者・・・すまぬ・・・)」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 オリA「おい!そこのお前!こんな所で何してやがる!
     あと少しでこの城は敵の手に落ちるぞ! 早く逃げろ!」
 城主 「おぬし・・・誰に向かって口を聞いているのか分かっておるのか」
 オリA「うるせぇ!この若造が!」
 オリB「!? おいっ・・・あんた城主様か?」
 城主 「その通りだが・・・お前達。何故ここにいる?」
 オリA「何故って・・・そりゃ・・・
     俺たちゃ逃げ遅れた間抜けな奴がいないか城内を駆けずり回って探していたんだぜ!?」
 城主 「そうか・・・だが心配は無用だ。
     私はここに残る。お前達は早く退却しろ。
     城の裏手にはまだ敵の手が回っていない筈だ。急げ」
 オリA「だからこそ早く逃げろって言ってんだよ! ・・・あぁもぅいいから付いて来い!」
 城主 「その手を離せ! 城主である私の命令が聞けぬのか!」
 オリA「城主だぁ!?そんなもん関係ねぇ!黙って付いて来い!」
 城主 「お前達・・・私に命令をするつもりか!」
 オリA「だとしたらどうするってんだ?えっ?」
 城主 「・・・」
 オリA「笑わせるんじゃねぇッ! てめーは、ここで死ぬ気なんだろ?
     もうすぐ死人になるおめーが俺達に何ができるってんだい!?」
 オリB「なあ、城主さんよ。無駄に命を落とす事はねぇさ
     また、出直せばいいんだ。俺達と一緒に逃げようぜ」
 城主 「くそっ・・・」
 
 (城主とオリ二人、城の裏門に急ぐ)
 
 オリA「まて・・・」
 城主 「何事だ!?」
 オリB「静かにしろって・・・お前、見えるか?」
 オリA「ああ・・・10人か・・・」
 オリB「いや・・・20人以上いるな・・・」
 城主 「敵のハイスカ部隊か・・・最早これまでか・・・」
 オリA「・・・」
 オリB「ああ、その様だな・・・残念だが・・・」
 オリA「なあ、城主さんよ。
     あんた門の横にあるあの木の扉がどこに通じているか知ってるかい?」
 城主 「あれは確か・・・あの扉は排水溝に通じる抜け穴だ」
 オリA「その先はどこに繋がっている?」
 城主 「その先は・・・城の南を流れる川へ繋がっているはずだ・・・そうかっ!」
 オリA「なら、なんとかなりそうだな・・・」
 オリB「だけどよ・・・どうする?
     あそこまで走ったところで敵に囲まれるのが目に見えてるぜ?」
 オリA「誰かが敵を抑えている間に・・・あの扉に逃げ込めば何とかなるかもしれねぇが・・・」
 オリB「そうだな・・・」
 城主 「ならば、その役・・・私が引き受けよう」
 オリB「あんたが?」
 オリA「ふっ、笑わせるなよ・・・
     おめぇさん、剣すらまともに握った事ねぇだろ?」
 城主 「心配無用だ。剣の扱いは士官学校で学んでいる」
 オリA「・・・おいおい、ここは学校じゃねぇんだぞ? 戦場だぜ?
     んなもん・・・実戦じゃまるっきり通用しねーよ」
 城主 「・・・」
 
 
 
 
 オリA「おい、相棒・・・後は頼んだぜ」
 オリB「頼むって何を・・・」
 オリA「そんなもん決まってるだろ?(にやり)」」
 オリB「おい、待てよ!」
 オリA「言いだしっぺは俺だからな・・・それ以上何も言うな・・・」
 
 (オリA、斧を振りかざし裏門めがけて走り出す)
 
 オリB「くそっ・・・おい、城主さんよ、俺についてこい!」
 城主 「くっ・・・」
 
 (木の扉を目指して走り出す二人)
 
 オリB「おし、中に入れ! くそっ どこだ??
     おい! そのへんに扉を塞ぐ木の板でも転がってないか?」
 城主 「いや、何も無いが・・・」
 オリB「なら、お前さんの剣を貸してくれ! 早く!」
 城主 「剣?」
 
 (オリB、剣で扉を塞ぐ)
 
 オリB「走るぞ!」
 城主 「待て!あの者はどうするのだ!?見捨てるというのか!?」
 オリB「何寝ぼけた事いってやがる!! 早くついてこい!!」
 城主 「・・・」
 
 
 
 
 
 
 (排水溝の出口に到着した二人、そして下には川が見える)
 
 オリB「さあ、出口だ。飛び降りるぞ!」
 城主 「かなり高いな・・・」
 オリB「何びびってんだよ!」
 
 (扉を蹴破る音が遠くから聞こえる)
 
 オリB「まずいな・・・」
 城主 「扉を破られた様だな・・・川に飛び込んだところで・・・いずれ直ぐに追いつかれる」
 オリB「だろうな・・・」
 
 (オリB、斧を構え敵が迫る方向を向く)
 
 城主 「どうした?」
 オリB「あんたは先に川に飛び降りな」
 城主 「何を言う・・・このままでは、お前まで・・・」
 オリB「なあ、この排水溝は見ての通り、人一人歩くのがやっとだ
     俺がここで敵を防げば、少しは時間を稼げる」
 城主 「馬鹿な事を言うのではない! ならば私も!」
 オリB「おめぇ、素手で敵を倒すっていうのかい?」
 城主 「それは・・・さっきお前が剣を・・・」
 オリB「・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 オリB「なあ、城主さんよ・・・
     俺は・・・いや、俺たちゃただの名も無き兵士だ・・・
     死んだところでどうって事はない。悲しむ奴の数だってたかが知れてる」
 城主 「・・・そんな事は・・・決してない」
 オリB「嘘付けよ」
 城主 「私は・・・君達を誇りに思っている」
 オリB「こんな所でお世辞を言われても嬉しくも何ともねーよ」
 城主 「・・・」
 オリB「俺たちゃ・・・つまり・・・使い捨てみたいなもんさ
     いらなくなったら、はい、それまでだ。代わりなんざ幾らでもいる。
     だがな・・・てめーは違う。
     悔しいけどよ・・・城主ともなりゃそうもいかねぇだろ?
     何しろ一国を治めるだけの力量ってもんも必要だしな
     俺達にはそんな力はねぇ。
     それにそんな奴、そうそういるもんじゃねぇだろ? なっ、そうだろ?」
 城主 「・・・」
 
 
 
 
 
 オリB「あんた、俺と同じ町の出身なんだってな?」
 城主 「同じ町?」
 オリB「ああ、噂で聞いたんだよ・・・
     ところであんた、あの店を知っているかい?
     店つーか・・・ほら、よく軍人達が飲みに集う酒場よ
     マスターが元軍人のお偉いさんらしいってもっぱら噂の・・・」
 城主 「知っているが・・・」
 オリB「そうか!そりゃよかった!
     で、そこにな・・・その・・・女の子がよく出入りしててな・・・
     女の子といっても、まだ子供なんだけどさ
     ああ、そうだ、確か10歳だ・・・この前誕生日だったな・・・」
 城主 「そうか・・・」
 オリB「あんた・・・金持ちなんだろ? しかも上流階級の・・・
     俺達の部隊じゃ、おまえさんが町一番のお屋敷の御曹司ってもっぱらの噂だったぜ?」
 城主 「・・・」
 オリB「一つ頼みがあるんだ・・・もし、ここを抜け出すことが出来たら・・・
     その・・・何だ・・・その子をおまえさんとこのお屋敷で働かせてやって貰えないか?
     まだ子供だから、たいした仕事はできねぇだろうけどさ・・・
     でも、いい子なんだよ・・・本当に。・・・そりゃ本当にいい子でさ・・・
     ああ、誤解するなよ!?無理にお願いするって訳じゃないんだぜ?
     その・・・あの子に・・・
     せめてちゃんと生きて行けるだけの生活をさせてやって欲しいんだ。
     それだけでも十分なんだよ・・・
     ・・・出来れば学校にも行かせてやって欲しいしけどさ・・・
     ・・・それにちゃんとした服を着させてやって欲しいし・・・
     それから・・・」
 城主 「・・・分かった
     だが、それはここからお互い生きて帰れたらの話だ・・・」
 オリB「お互い?ケチな事いうなよ。あんたが生きて帰れたらそれでいいだろ?」
 城主 「それは・・・」
 オリB「なっ?頼むよ!」
 城主 「分かった・・・約束しよう」
 オリB「本当だな!?絶対だぜ!?」
 城主 「私は必ず約束を守る。信じてくれ」
 オリB「男と男の約束だぜ!?」
 城主 「ああ、もちろんだ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 オリB「じゃあ後は頼んだぜ!(にやり)」
 
 (オリB、城主を川へ突き飛ばす)
 
 
 
 
 
 
 城主 「ぐっ・・・・・きさま!!正気か?!!!」
 
 
 
 城主 「馬鹿な真似はよせ!!!!!!!!!!
 
     早く飛び降りろ!!!!!!!!!!!」
 
 
 
 
 
 オリB「約束だ!!!!!!!男と男の約束だ!!!!!!俺はお前を信じる!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
     兄弟よ!! 俺はお前を一人で逝かせたりはせぬ!!!!!!!!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 少女 「おっちゃん達まだかな・・・今日はパーティーなのにぃ・・・」
 店主 「ああ、もうこんな時間か・・・
     きっとプレゼントを買いに行って遅れてるのさ(笑)」
 少女 「私ね、ぬいぐるみがほしいの。クマさんのぬいぐるみっ!」
 
 
 
 青年 「マスターはいるかね?」
 店主 「ああ君か! 久しぶりじゃないか! 心配していたぞ!
 
 
     ・・・・・・何かあったのか?」
 
 
 ----- 店主の日記「約束」より -----
**スカ子危機一髪(その1) [#xf7618fc]
 (ドランゴラE1)
 
 スカ子「(ハイド、ハイドっと♪)」
 
 軍チャ:スカ子「E1に潜伏完了。これよりオベ破壊活動に移ります!」
 軍チャ:軍師 「よくやった!あとは君に任せたぞ!
         勝利の行方は君にかかっている!」
 軍チャ:スカ子「ラジャ!」
 
 
 
 スカ子「(はっ!あれは!?敵の兵士!)」
 
 (クリスタル近くに座り込む目つきの鋭い敵両手オリ)
 
 スカ子「(ここで見つかったら終わりだわ。抜き足、差し足、忍び足・・・)」
 
 敵オリ「・・・うーむ・・・」
 
 スカ子「(はっ!見つかったかもっ!?)」
 
 敵オリ「・・・うーん・・・」
 
 スカ子「(気のせいね・・・今がチャンス!)」
 
 (敵オリの傍をハイドでこっそり通り抜けようとするスカ子)
 
 敵オリ「オイ・・・」
 
 スカ子「(はっ!見つかったっ! がびーん・・・)」
 
 敵オリ「オイ・・・」
 
 (スカ子に睨みを利かす敵オリ)
 
 スカ子「(もう駄目だぁぁぁぁ(涙))」
 
 敵オリ「オイ・・・もう我慢ならねぇ・・・」
 
 スカ子「見つかってしまったからには仕方がないわ・・・
     掛かってきなさいっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 敵オリ「そんな事より・・・
 
 
 
 
 
 
 
     ・・・・・紙をクレ」
 
 スカ子「えっ!?w」
 
 ------ スカ子危機一髪(その1) -----

**スカ子危機一髪(その2) [#o467663b]
 オリ 「なあいいだろ? 今度一緒に飲みに行こうぜ」
 スカ子「仕方が無いわねぇ」
 皿子 「あら、素敵な彼氏じゃないの。どこで見つけてきたのよっ!?えぇ!?」
 スカ子「そんなんじゃないわ。この男が勝手に付いてくるのよ。
     全く・・・鬱陶しいったらありゃしないわ!」
 オリ 「おいおい。そりゃないぜ」
 皿子 「で、お二人の出会いはぁ???(興味津々)」
 スカ子「そっそれは・・・」
 オリ 「まあ、その・・・なんだ・・・」
 スカ子「(言えない・・・絶対に言えない・・・ドランゴラでの出来事を話すなんてw)」
 
 スカ子「そんな事より、ちょっと聞いてよ。
     この男ったら、敵の片手オリが大の苦手なのよ。
     敵の片手オリを見かけたら直ぐに逃げちゃんだから。」
 オリ 「いやあ、バッシュを食らうと面倒でな。わざと戦いを避けているだけだぜ」
 スカ子「ふーん。怪しいったらありゃしないわ」
 オリ 「両手オリをやっていると色々と大変なんだよ」
 スカ子「単に腰抜けなだけでしょっ!」
 オリ 「ひでぇ事いうなあ。少しはほめ言葉の一つでも言ってくれよ」
 スカ子「贅沢言わないのっ!」
  
 皿子 「ふーん。まあいいわ。楽しそうだこと(笑)
     あ・・・あの砂煙は・・!? 大変!! 敵が攻めてきたわよーーっ!」
 
 (そして最前線)
 
 オリ 「おい!俺から離れるんじゃねえ!危ないだろ!」
 スカ子「もうっ心配性なんだから。一人でも大丈夫よ!」
 オリ 「俺を心配させるんじゃねぇよ。お前にもしもの事があったら俺は・・・」
 スカ子「ちょーっと!勝手に人を自分の彼女にしないでよっ!」
 オリ 「いい加減観念しろよ。俺はお前を追って国を捨ててまでネツァワルに・・・
     おっおい!? 何処に消えちまったんだ!???」
 
 (スカ子、ハイドを使ってオリの元から離れる)
 
 スカ子「ふう。あの男と一緒にいると疲れるのよね〜」
 
 (一人僻地に足を運ぶスカ子)
 
 スカ子「・・・えっ・・・痛いっ!(涙目)」
 
 (スカ子、背後から敵ハイドスカウトのアームブレイクを食らう)
 
 敵スカ「甘いな。隙だらけだぜ!」
 スカ子「ふざけないで!アンタなんかに負けないんだからっ!」
 敵スカ「後ろを見てみな。君はもう袋のネズミだ」
 
 (スカ子の後ろに敵の片手オリの姿)
 
 敵オリ「可愛いお嬢さんだな。殺すのは惜しいがこれも戦争だ」
 スカ子「そ・・・そんな・・・(涙目)」
 敵オリ「恨んだりしないでくれよ(にやり)」
 
 (敵片手オリ、スカ子に向けてバッシュの構えを見せる)
 
 スカ子「(だ・・・誰か・・・) だ・・・誰か・・・助けて〜〜〜〜!(大声で叫ぶスカ子)」
 敵スカ「叫んだところでこんな僻地には誰もこないぜ。覚悟を決めるんだ」
 
 
 
 
 オリ 「オイ、そこの兄ちゃん。俺様の女に手を掛けようっていうのかい?」
 敵オリ「何っ!?」
 敵スカ「何時の間に!」
 スカ子「あ・・・」
 オリ 「全く困った女だ。だから俺の傍から離れるんじゃないって言っただろ?(にやり)」
 スカ子「ご・・・御免なさい・・・私・・・私・・・(大泣き)」
 (スカ子、オリに駆け寄り抱きつき、そしてオリの胸で泣きじゃくる)
 
 オリ 「お前達、覚悟はできてるよな? おい!」
 
 (オリの凄みに、敵のスカと片手オリは後ずさり)
 
 スカ子「まって・・・その敵は貴方の天敵・・・片手オリ・・・!」
 オリ 「何だって・・・くそっ!」
 敵オリ「ん? ふふ・・・そうか・・・お前、片手オリは苦手か(にやり)」
 オリ 「ふざけるな!てめぇのバッシュなんざ痛くもなんともねぇぜ!」
 敵オリ「ならば俺様のバッシュを受けてみよ!」
 オリ 「掛かってきやがれ!!!」
 
 (敵オリ、オリに向かって片手剣を振り下ろす)
 
 
 
 
 
 
 敵オリ「 ク ラ ン ブ ル ス ト ー ム 炸 裂 !!!!!!!!!」
 
 
 オリ 「えっ!?」
 スカ子「えっ!?」
 敵スカ「さすが兄貴!!得意技のだまし討ち炸裂だっ!!」
 スカ子「卑怯者っ!!」
 オリ 「しまった!俺はこれが一番・・・!」
 
 
   (敵の片手オリが振りかざしたその剣から竜巻が生まれ、オリとスカ子を包み込む!)
 
 
 オリ 「俺から離れるんじゃねぇ!!」
 スカ子「離れない・・・絶対に貴方から離れない!!」
 
 (スカ子を、その力強い両腕でしっかりと包み込むオリ。
  竜巻は凄まじい力でオリとスカ子を大地から空へと吹き飛ばすかに見えたが、
  やがて竜巻は消え去り、二人は大地から一度たりとも足を離すことなく立ち続けていた。)
 
 
 敵スカ「馬鹿な・・・兄貴のクランブルストームが効かないなんて!!!」
 敵オリ「俺様のクランブルストームが・・・そんな馬鹿なっ!?」
 
 敵スカ「あっつ!!??」
 敵オリ「あああああ!!!??」
 
  (敵のオリとスカは、オリの姿を見た途端顔が青ざめる)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 スカ子「えっ・・・・・ズラw!?」
 
 ------ スカ子危機一髪(その2) -----

**スカ子危機一髪(その3) [#p2664dfa]
 職人 「で、今度はどんなズラが欲しいのかね?」
 オリ 「強風で吹き飛ばなければ何でもいいが・・・」
 職人 「こりゃ難しい注文だな。検討はしてみるが、あまり期待しないでくれよ?」
 オリ 「とりあえずしっかり頼んだぜ」
 
 婦人 「あら、いらっしゃい。久しぶりね」
 オリ 「ああ。ん?その服は旦那さんとお揃いかな?」
 婦人 「そうよ。最近ペアルックが流行なのよ」
 職人 「ワシは乗り気じゃないのだが、妻が着ろ着ろってうるさくてね」
 婦人 「あらやだ。貴方だって結構乗り気だったじゃないの」
 職人 「そうだったかな?ははは」
 オリ 「ペアルックか。やはり女はそういうのを喜ぶのかな?」
 婦人 「うーん、そうね。そうかもしれないわ(笑)」
 オリ 「なるほどね。参考にしてみるよ(笑)」
 婦人 「参考って?? はは〜ぁ。彼女がいるんだ(笑)」
 オリ 「まあな」
 
 (街中)
 
 オリ 「(なるほど。今の流行はこれか。
      これならアイツも俺に振り向いてくれるかもしれない)」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (とある港)
 
 
 オリ 「やあ、待たせて悪かったな」
 スカ子「こんなところに呼び出して一体何なの?って・・・えぇぇぇぇ!??」
 オリ 「どうした?そんなに驚かなくてもいいじゃないか(笑)
     今街中で流行ってるんだよ。俺なりの方法でお前を喜ばせようと思ってさ。
     な?お前とお揃いで似合ってるだろ?」
 オリ 「おぃ!おぃってば! どこに行くんだよ!?」
 スカ子「ついてこないで・・・恥ずかしいじゃないの・・・」
 オリ 「何照れてるんだよっ!
     そんな目で見るなって、俺まで照れるじゃないか(苦笑い)」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 婦人 「あら、このデッサン、貴方にしてはセンスがあるわね。
     今流行なのかしら? 街中で良く見かけるわ。
 
 
 
 
 
 
     ツ イ ン テ ー ル 」
 
 職人 「・・・」
 
 ----- スカ子危機一髪(その3) -----
**スカ子危機一髪(その4) [#k1d60753]
 オリ  「よっ!軍師さん!」
 軍師  「ん?私のことかな?」
 オリ  「なあ、教えて欲しい事があるんだ」
 軍師  「教えて欲しい事?」
 オリ  「俺は戦争で活躍したいのだが」
 軍師  「活躍も何も・・・君なら前線で活躍する事なんて簡単な事だろうに」
 オリ  「何ていうか、アンタみたいに頭を使う仕事がしたくてさ」
 軍師  「頭を使う仕事? そうだな・・・この仕事はどうかな?」
 オリ  「なるほど。これなら俺にもできそうだ」
 軍師  「職務をやり遂げれば全兵士に感謝される事だろう。頑張りたまえ」
 オリ  「ああ、任せてくれ!」
 
 (前線)
 
 皿子  「ん?どうしたの?機嫌が悪そうだけど」
 スカ子 「全く・・・あの男は・・・(ぶつぶつ)」
 スカ隊長「彼氏と喧嘩でもしたのかな?」
 スカ子 「そんなんじゃないけど・・・って!彼氏なんかじゃないわよっ!」
 スカ隊長「おい!怒るなって(笑)」
 皿子  「で、今日は彼も戦争にきてるの?」
 スカ子 「彼氏なんかじゃないって・・・その・・・
      ”今日はお前にカッコいいところを見せるから期待してろって”言うから・・・」
 皿子  「あ〜ら。なら楽しみにしなくちゃね(笑)」
 スカ隊長「ははは。頼もしい限りじゃないか。お手並み拝見といくかね
      結果次第では、我が部隊にでも・・・」
 皿子  「(こほんっ)、それは彼氏が決める事よ。無理に誘っちゃダメじゃないの」
 スカ隊長「それもそうだな。ははは」
 スカ子 「もうっ・・・」
 
 
 (戦争中)
 
 スカ子 「まずいわ。東の前線が押し込まれてる!」 
 皿子  「どうしよう。レイスの準備がまだだわ」
 
 オリ  「みんな!安心してくれっ!俺がレイスで出陣してやるぜ!!」
 
 スカ子 「えっ!?」
 皿子  「えっ!?」
 
 全員  「おおおおお!!!!」
 兵士A 「頼んだぜ!!」
 兵士B 「あんたが来るまで持ちこたえてみせるぜ!!」
 オリ  「(こっ、これがネツァワルのノリなのか・・・しびれるぜっ!!)」
 
 
 
 スカ隊長「見込みがある奴じゃねぇか。気に入ったぜ(にやり)」
 皿子  「もう彼の事を許して上げてもいいんじゃないの?(笑)」
 スカ子 「そうね。そうかもしれないね(照れ笑い)」
 
 (そして・・・)
 
 軍師  「レイスの出撃準備はまだ終わらぬのか?」
 オリ  「もう少し待ってくれ。クリスタルの集まりが悪いんだ」
 軍師  「そうか、くそっ!」
 スカ隊長「まだクリ銀がいないからな。しばらく苦戦しそうだ」
 軍師  「何か良い策はないものか・・・」
 オリ  「軍師さん、安心しな。俺に名案がある」
 軍師  「名案だと?」
 スカ隊長「ほお」
 スカ子 「名案って??」
 オリ  「まあ、見ててくれよ。お前さ・・・俺に惚れ直すんじゃねぇぜ?(苦笑い)」
 スカ子 「えっ!?・・・(顔を赤らめる)」
 軍師  「ん?お前達、二人して何故顔を真っ赤にしているのじゃ??」
 スカ隊長「あはははは(大笑い)」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 兵士A 「東の前線が崩壊しそうだ!!」
 兵士B 「はやく援軍を!!!!!」
 兵士C 「味方のレイスはまだなのか!??」
 軍師  「レイスなら先ほど出発したはず・・・」
 兵士D 「姿が見えないぞ!!撃墜されたのか!!??」
 
 
 オリ  「クリ銀在庫50 ナイト1 ジャイ18 レイス1」
 
 
 軍師  「Noooooooooooo!!!!!」
 
 ----- スカ子危機一髪(その4) -----
**編集後記 [#z4052227]
上記SS集は、何れも作者である私がその時々に感じた思いをSSとして綴っています。人によっては誤解を招きかねない表現があるかも知れませんので、その時々の王国の様、そして伝えたかったメッセージを書きます。

◆ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (戦場へ向かいし者達) &br;
エンディングとの繋がりを作るために投稿したSSです。&br;
街中で立っているだけのNPCですが、そんな彼らにもドラマがあると勝手に脳内変換してみました。&br;
尚、話の落ちは中盤にあります(青年の「苦笑い」と「笑い」)。&br;

◆ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (時には息抜きも) &br;
6月初旬に大規模な職バランス修正が行われ、バッシュスキルが大幅に強化されたことと(正確にはスタン耐性の大幅な短縮化&上書き可能)、両手オリがガードレインフォースを失った事により、相対的に両手オリの人口が激減した時期です。&br;
「好きで選んだ職なら、とことん楽しもう」これが伝えたいメッセージです。

◆ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (戦場に咲く花)&br; 
伝えたいメッセージをくだらない会話で綴ってみました。&br;
「勝利にこだわることは大切だけど、戦争を楽しむことも大切」&br;
「基本戦術を守ろう(皮肉を込めて)」&br;
何れも2chのスレや実際の戦場から感じ取った事を綴ってみました。&br;
軍師を小馬鹿にした様に捕らえる方がいらっしゃるかもしれませんが、最後の一言でそうではないことを表現しています。

◆ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (運命)&br;
ストーリーに間を入れる為に投稿しました。&br;
正直展開が今一だったかなと反省。&br;
 
◆ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (脱走兵) &br;
「ネツァワルが恋しくなったら戻っておいで」 嘗てネツァワルに所属し他国へ移住した方へのメッセージです。&br;

◆ネツァワル式バーボンハウス 外伝 (約束) &br;
(戦場へ向かいし者達)からの一連の流れを〆る為に投稿しました。&br;
「仲間の死を無駄にしないこと」&br;
「ネツァワル魂の継承」&br;
これが伝えたいメッセージです。

◆スカ子危機一髪(その1) &br;
◆スカ子危機一髪(その2) &br;
◆スカ子危機一髪(その3) &br;
◆スカ子危機一髪(その4) &br;
ネタ系SSです。&br;
戦争でストレスが溜まった方には、こういう馬鹿馬鹿しい癒し?もありなのかなと。
戦争でストレスが溜まった方には、こういう馬鹿馬鹿しい癒し?もありなのかなと。&br;
その4については、最近のネツスレからアイデアを頂きました。m(_ _)m

◆スカ子危機一髪(その2) &br;
その1と同様にネタ系SSです。

*コメント [#i793f383]
- 戦場に咲く花の削除した箇所を復活させました。元々削除箇所は中盤の落ちを引き立たせる目的でしたのでご理解の程をm(_ _)m --  &new{2006-06-14 (水) 23:48:03};
- 誤字修正しました --  &new{2006-06-15 (木) 00:21:41};
- ...なんだろ、ちょっと泣いちゃったよ。 -- [[通りすがり]] &new{2006-06-19 (月) 23:07:17};
- 暗い話が続いたのであえて下らない小話を追加してみました。最後の落ちが何を指し示すのかはご想像にお任せってことで。 --  &new{2006-06-21 (水) 00:11:12};
- 今後のオリとスカ子の動向に目が離せないっ!! -- [[通行人A]] &new{2006-07-10 (月) 22:29:42};

#comment
----
&size(9){Copyright (C) 2005, 2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.};


トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS